タンポポだより
>>タンポポだより >>  「三岸節子展をみて」 

我が母校、名古屋愛知淑徳学園の大先輩です。

彼女の文章は仕事に対して、人生に対してたっぷり書かれています。私とは世界が違うけれど・・・「そう、そう、私もそう思っています」って事がとても多かった。
目指す所や、感じる事や、こだわりが・・・・・。
三岸節子の足元にも及ばない私ですが、少しでもそうでありたいと思っている・・・・・。でも、私には到底できない、だから憧れるのだと思う。

三岸節子は、とてつもなく「強い女」。悩みや苦しみを抱え、自己に厳しく、画商の言うことには耳を貸さなかった。売れなくてもイイと。己を信じた!ひたすら「花」を描くのです。自分の絵を描く!

私は駄目ですネ。自分を信じているようで、一寸、フワフワしてますネ。

平塚の美術館の展示場・・・・最後は、小さな部屋に行きつきます。
93才の時描いた100号の大作。「さいた さいた さくらがさいた」。
この絵は何度みても、私は淋しく、哀しくなるのです。・・・・畏怖・・・・彼女のふりしぼったエネルギーに。

小部屋の入り口右手に、死の直前まで使用したイーゼルがあり、絵がかかっていました。「黄色の未完の花」の絵。
その横、小さな引き出しが一杯ある机の上には、干からびて積み上げられた絵の具のパレット。壷の中に沢山の筆。柄がとても汚れていた。筆を拭いた日本手拭い。白地に藍の柄。半分に切って使ったのでしょうか。
ピンクのティッシュペーパーの箱・・・・・。
箱の上に点々と茶色の絵の具が飛び散っていました。それを見たら急に悲しくなって、胸がジ━━ンとしてきました。

3月27日容体急変。前のめりになってカンバスに右手をつく。
一寸びっくりしました。(余計なことですけれど・・・・私の誕生日)
そして、4月18日、94才の壮絶な闘いを終えられました。

花シリーズ、鳥シリーズ、木のシリーズ、ハニワ、風景画・・・・私の大好きなヴェネチア。私がこれから行ってみたいスペインの街・・・・。
堪能しました!ありがとうございました!

さぁ〜〜あとは尾西市にある「三岸節子記念美術館」に行くつもりです。今年中に。

今、私の机の上にはヴェロンで描いた「白い花」と「カーニュの家」の絵葉書が飾ってあります。
 

宮本信子

 

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